〜夢の波紋〜 「今此処」
作詞:志人/sibitt
作曲:DJ DOLBEE
ANIMATION : okada akinori
太陽を亡くした地球はね 真っ暗闇に包まれて
安らかに眠る海はえてして 波一つ立たず穏やかで
決して来らず去りもせず 「空は今此処におられるよ」
終わりは来ないはずなのに 一体どうした事でしょう?
目くじらを立てたクジラが噴いたL字型の噴水にねずみが
チョコンと腰をかけ「迷宮入りだ」と一言
せむしの毛虫がこぐボートの特等席に「ご苦労」と
セクシーななめくじが「地球の定休日さ」と咳を入れた
「永久にか」がめついカメムシはたてついた
ネムノキは眠そうに
「ほどほどほどよいこの期に及びその問い興味と程遠いのう
今日明日を越えおととい来い向こう見ずなホトトギスよ
ホッホッホ」
路頭に迷い途方に暮れ東方へ逃走を試みるどころか
元いた所に戻って来たちょうちょは 少々躊躇したように言うよ
「夢がとけるまで僅かな猶予 ここは母なる宇宙の中の竜宮城よ」
ヒュウピュウと冷たい潮風 くれないに染まる美空へ
身の丈数十メートルの白ザメがウミガメを乗せて進む
色あせてゆく地の果て 陽と影は暇へ広がって
悠々自適 空中浮遊する無数の星が降る
宇宙有終の定説の上に打ち上げられた中秋の名月が
蹄鉄の様な固い口調で胸中を打ち明けた
「そんなに粋がって息巻いてないでもしかしたら君達は
生まれても居なければ死んでもいないのかも知れないよ
ほら よしなしごとはよしな未来を楽しめば良い」
と星は今
夢のまた夢の正夢を見ておりました。
遥かなる空にさすらう朱雀つぶやく
「明日があるかないか分からんのも悪か無いさ
待つならば歩かないか?」
白髪だが矍鑠としたクジャク伯爵 かくいうなるは
「○×△□の他にも数ある姿形は違うが
授かる命にまつわる者はどれも役立たずなはずは無く
まずは やるかやらぬか なすかなさぬか 発芽間近 僅かな時間は隼
流星の如く瞬く間 儚くも一瞬の夢はかたくな
偶然とは無縁 普遍の図面上にズデンとあぐらかいたマグマオーシャン
泣くなご覧 全ては流転する運命」とな
「とどのつまり 元の木阿弥 心驚くまじ
源は水面の源今此処に居たものさ」
『因果応報の銀河を
今の今を見守ろう
皆の来た処は今此処 Here Now
因果応報の銀河を
今の今を見守ろう
皆の来た処は水面の源 今此処 Here Nowに居たもの』
イナゴ居直り名残惜しそうに今をしかと見たよ
足の片方がもげて歩きづらそうなカマドウマ
「なんなら肩でも貸しましょうか?」と 親切なアナモグラ
「やい アナモグラ あなどるな ワシの足は生まれつき無いのじゃ」
だがどうだ アナモグラの方は
両目が潰れてどうやら相手のことなど
さっぱり見えていなさそうだ
「何? 足りない所があるって?
欠落は哲学 人知れず泣くのはおよしなさい
大切な刹那と手を繋ぐのですな
その痛み 無理矢理や投げやりではなく
思いやりで愛を注いでやりたまえ
すればそこに 心地良い風がそよぎ
幸は内に踊り 鬼は外に逃げて行くなり」
「愛ってなあに?」 蟻さんはにかみ
「さあ日が昇るよ 明日の在処 終わりは始まりさ
花びらもゆると散り行く落ち葉 始まりは終わりのそばに
アカシアの木にカナリアが鳴き 可愛いやハチドリ優しさを知り
乾いた大地に 涙を流した ただいま 赤い愛」
晴れ渡る空に 「お帰りなさい」 「あれが我々の愛」
「さようなら文明 僕を育んでくれた夢の船」
水槽のアロワナが大海へ引き戻されて行く
ビルというビルは根こそぎ抜かれ
アンテナはもぎ取られ 都市は森に飲み込まれ
跡形も無く おいとまする
「ちょいと待て」と 謎掛けに恋焦がすショウジョウバエが
マテバシイの木ノ下で生涯一度だけ見た虹の架け橋
果てなき何故何の問いかけ ワレ誰の答えさえ
「もうどうにでもなれ」っていうくらいに可憐な名場面
「そうさ 放っておけ 知らぬが仏
物の怪も喜べる心ある事を心得よ
皆元は水面の源 今此処に居たもの
とどめよ 此の絵を こののへを」
分かち合おう形無き魂の
流した涙は優しさの証
淡い夢の様なひととき 紐解き
輪になろう さあ皆と今を
笑いなよ この世は滑稽さ
それでいてとっても儚いんだと
だから今を宝にしましょう
ありがとう たまゆらの命を
2009年制作
create bright future